薬膳のお話・中医薬膳学【食用・食養・食療・薬膳・食忌】
\\ この記事はこんな人におすすめ //
- 中医学に興味がある人
- 薬膳初心者
- 中医薬膳学を基本から学びたい人
目次
食用(しょくよう)
『食用』とは、季節・時間・場所・年齢・性別などに応じて、食材の種類や食事の回数などを正しく選択することです。
例えば、暑い夏には体を冷やす食材(トマト、きゅうり、苦瓜、すいかなど)を多く摂り、逆に寒い冬には体を温める食材(かぼちゃ、生姜、ネギ、唐辛子など)を使って、鍋や煮物など温かく食べられる調理法を選択します。
食養(しょくよう)
『食養』とは、食材を使って、体を養うことです。
健康を維持するために、食物を摂取・消化・吸収・利用し体を補養するので、健康な人が対象になります。
老化防止・精力増強・美肌・風邪予防・体の強壮などの目的で、補養作用のある食材を取り入れることも食養に含まれます。
食療(しょくりょう)
『食療』とは、食材を使って、その食材の効能により、病気を治療・治療補助をすることです。
食療は昔から、病気を治す手段として、一般家庭でも行われてきました。
例えば、白粥・雑炊・麺類・鶏スープは風邪や体が虚弱な人、病気の回復に良い食事です。また、蕪は消化を促進し、便通をよくするはたらきがあるので、食べ過ぎや便秘に良い食材です。
食療では食材のみを扱います。
薬膳(やくぜん)
伝統的な概念では、『食療』に中薬(生薬)を加えた、病気を治すための料理を『薬膳』といいます。
言い換えると、中薬と膳(料理)を合わせたものになります。
食療よりも効果が強いので、食療では効果が見られないときに薬膳が使われます。
ただ現在では、中薬を使わなくても健康維持や病気の予防、治療効果など作用を目的とした膳はすべて薬膳と呼ばれています。
食忌(しょくき)
『食忌』とは、食生活において摂取に注意したり、禁忌することをいいます。
組み合わせてはいけない食材、体質や病気によって食べてはいけないもの、療養中や妊娠により食べてはいけないものがなどがあります。
例えば、陽盛体質(汗をかきやすい、喉が渇く、暑がり)や更年期障害なら、体を温める辛いものや熱いものが禁忌となります。また、冷え性の人なら、体を冷やす冷たいものや生もの、バナナなどが禁忌となります。