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薬膳のお話・食薬学【食薬の使い方と応用】

\\ この記事はこんな人におすすめ //

  • 薬膳初心者
  • 薬膳を基本から学びたい人
  • 食薬の禁忌を知りたい

目次

  1. 1.帰経(五臓への作用)
  2. 2.配合七情
  3. 3.禁忌

帰経(五臓への作用)

『帰経』とは、食薬がその色や性質・味に従って、それぞれの臓腑・経絡に入って体の一定部分に作用すること。
食薬の、五味・五色(食薬自体の色)・五季(はたらきが活発になる季節)の違いにより、帰経する臓腑も異なります。

五味
五色
五季 長夏
五臓

肝経に入りやすい

青色か酸味のある食薬は肝経に入りやすい。
春になると、肝氣が体表・頭部へと巡り、体が温かくなります。これを肝氣の上昇といい、肝氣の上昇が強くなると、のぼせや、めまいの症状が現れます。
この時に梅やレモンなど『青色か酸味のある食薬』を摂るとこれらの症状を抑えてくれます。

心経に入りやすい

赤色か苦味のある食薬は肝経に入りやすい。
夏になると、暑さにより体も熱くなり、血流が速くなり、心拍も速くなります。
この時に苦瓜など『赤色か苦味のある食薬』を摂ると、熱を取り除き、心を助けてくれます。

脾経に入りやすい

黄色か甘味のある食薬は脾経に入りやすい。
脾は消化機能を司っています。
長夏(梅雨)には適量の『黄色か甘味のある食薬』摂ることで、脾を養い、消化機能を高めることができます。
しかし甘味は摂取しすぎると、逆に消化機能の低下につながり、胃もたれや下痢の原因となるので注意が必要です。

肺経に入りやすい

白色か辛味のある食薬は肺経に入りやすい。
秋には、唐辛子・ネギなど『白色か辛味のある食薬』を適量摂ると、肺氣のはたらきを助け、風邪を予防します。
しかし、辛味を摂りすぎると、肺の水分を消耗し、皮膚の乾燥・喉の渇き・空咳や喀血が起こりやすくなるので注意が必要です。

腎経に入りやすい

黒色か鹹味のある食薬は腎経に入りやすい。
冬に、ホタテ・牡蠣・鮑など『黒色か鹹味のある食薬』を適量摂ると、腎を養うことができます。

配合七情

食薬を実際使うときには、単品よりも2品以上を組み合わせて使うことがほとんどです。
この組み合わせを『配合』といい、配合七情という7種類の食薬の使い方に分けることができます。

①単行(たんこう)

『単行』とは、単味(単独)の食薬を使用すること。
例えばふかした芋、果物などを単味で食べることをいいます。

②相須(そうす)

『相須』とは、同じはたらきをもつ食薬を一緒に使い、効果を増加させることです。
例えば、同じ補氣(氣の不足を補い、体質を強化する)の山薬とじゃがいもを組み合わせると、補氣の効果が高まり、同じ養血(血を補う)の葡萄とライチを組み合わせたスイーツは貧血を改善する効果が高まります。

③相使(そうし)

『相使』とは、配合する食薬の一つをメインとし、他をサブとして、サブの食薬がメインのはたらきを増加させることです。
例えば、鶏肉とじゃがいもの煮物では、鶏肉の補益作用がメインとなり、じゃがいもがそのはたらきを強くします。また生姜と黒砂糖を一緒に煎じて飲むと、生姜の体を温める効果が、黒砂糖によってさらに高められます。

④相殺(そうさい)

『相殺』とは、ある食薬が、他の食薬の副作用を除去・軽減することです。
例えば、インゲン豆の皮疹や下痢などの副作用抑えるためにニンニクが組み合わされることが多いです。

⑤相畏(そうい)

『相畏』とはある食薬の毒性反応、副作用が他の食薬によって除去・軽減・緩和されることで、相殺の裏返しの関係です。
例えば、刺身の冷やす作用わさびによって抑えられます。(相畏)
言い方を変えると、わさび刺身の冷やす作用を抑える。(相殺)となります。

⑥相悪(そうお)

『相悪』とは、食薬を組み合わせることにより、互いに作用が軽減したり、無効になったり、お互いの作用を邪魔することです。
例えば、氣の巡りをよくし、排泄を促す大根は、体を強くするにんじんと組み合わせると、はたらきが互いに拮抗し、どちらの作用も無効になってしまいます。

⑦相反(そうはん)

『相反』とは、食薬を組み合わせることで、副作用が生じることです。
例えば、柿と茶を一緒に摂ると便秘になりやすくなります。

禁忌

薬膳学では『禁忌(避けるべきこと)』を重視します。
禁忌には、季節ごとの食薬の禁忌・食薬の組み合わせによる禁忌・病気の禁忌・妊娠期間の禁忌など、昔から言い伝えられてきたことがいくつかあります。

①季節の禁忌

晩秋から早春は、涼性・寒性の食薬を禁忌とする
寒い季節である晩秋から早春は、辛味・温性の食薬で体を温める必要があります。
そのため逆の作用がある、涼性・寒性の食薬は禁忌となります。

晩春から早秋は、温性・熱性の食薬を禁忌とする
温熱性の邪気が盛んになるこの季節は、涼性・寒性の食薬を使って、熱を追い出し、正氣を助ける必要があります。
そのため逆の作用がある、温性・熱性の食薬は禁忌となります。

②病気の禁忌

冷えなどには、涼性・寒性の食薬を禁忌とする
体の冷え・生理痛・慢性のむくみ・下痢などは体を温め、陽氣を助ける必要があるので、温性・熱性の食薬を積極的に摂ります。
そのため体を冷やす、涼性・寒性の食薬は禁忌となります。

ほてりなどには、温性・熱性の食薬を禁忌とする
熱がある・多汗・のぼせ・ほてり・便秘など場合、涼性・寒性の食薬を摂り、熱を追い出す必要があります。
そのため体を温める、温性・熱性の食薬は禁忌となります。

血瘀には、涼性・寒性の食薬を禁忌とする
血瘀の原因はいろいろありますが、基本的に血を固まりやすくする涼性・寒性の食薬は禁忌となります。
滞った血液や、かたまった血瘀を溶かすには、温性・熱性の食薬を積極的に摂る必要があります。

氣鬱や氣滞には、涼性・寒性の食薬を禁忌とする
氣鬱や氣滞はストレスによる、気分の落ち込みが原因です。
涼性・寒性の食薬は氣を停滞させるので禁忌とし、温性・熱性の食薬を積極的に摂り氣を発散させます。

③妊娠期の禁忌

妊娠期になると、母体は胎児が育つために血虚体質になり、体が熱くなる傾向があります。
辛いものは妊婦の体を熱くし、胎児にも熱がこもり、胎児の成長に影響を与えるので摂り過ぎは注意が必要です。
特に行氣(氣を巡らせる)の食薬・活血(血の循環を促進する)の食薬は流産のリスクを上げるので禁忌になります。

Chika profile

Chika Sato

オーガニックな旅暮らし

  • Bio Life Coordinator
    • 管理栄養士
    • 薬膳コーディネーター
    • フードコーディネーター
    • 全米ヨガアライアンス 勉強中
    • アロマセラピスト 勉強中