薬膳のお話・中医学の基礎【五行学説】
薬膳を知るうえで、中医学の知識は必要不可欠!
中医学は自然と一体である人体の捉え方、病気の見方、食材や中薬の扱い方など考え方が少し独特です。
ここでは中国の古代哲学から生まれた、中医学の基礎、五行学説についてを紹介していきます!
\\ この記事はこんな人におすすめ //
- 薬膳初心者
- 薬膳を基本から学びたい人
- 東洋医学に興味がある人
目次
1. 五行学説とは
五行学説とは自然界の全ての物事を木・火・土・金・水に分け説明しようとする学説です。
木の特性
木は成長、発散、柔軟、伸びるという特徴があります。
東風が吹き、新芽が出て、草木が緑になる春、またうつを嫌い、伸びやかさを好む五臓の肝は木に属します。
火の特性
火は熱い、炎上、燃えるという特徴があります。
中国や日本からみた南や、暑い季節の夏、喜びを好み、温かい五臓の心は火に属します。
土の特性
土は植物、動物など全ての生物が誕生し、成長し、活動する基盤です。
食物を消化し、体に営養を与えて成長させる五臓の脾や胃は土に属します。
金の特性
金は静粛、収斂という特徴があります。
作物が熟して金色になる秋、清浄を好み、空気の汚れに傷つきやすい五臓の肺は金に属します。
水の特性
水は命を潤し、冷たい性質、高いところから低いところに流れるという特徴があります。
中国や日本からみた北や寒い冬、全身の水分を管理する五臓の腎は水に属します。
自然界 | 人体 | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
五行 | 五季 | 五方 | 五気 | 五色 | 五味 | 五臓 | 五腑 | 五官 | 五体 | 五華 | 五志 |
木 | 春 | 東 | 風 | 青 | 酸 | 肝 | 胆 | 目 | 筋 | 爪 | 怒 |
火 | 夏 | 東 | 暑 | 赤 | 苦 | 心 | 小腸 | 舌 | 脈 | 顔 | 喜 |
土 | 長夏 | 中 | 湿 | 黄 | 甘 | 脾 | 胃 | 口 | 肉 | 唇 | 思 |
金 | 秋 | 西 | 燥 | 白 | 辛 | 肺 | 大腸 | 鼻 | 皮 | 皮毛 | 悲 |
水 | 冬 | 北 | 寒 | 黒 | 鹹 | 腎 | 膀胱 | 耳 | 骨 | 髪 | 恐 |
2. 五行の関係
木・火・土・金・水の五行には互いに、相性、相剋、相乗、相侮という関係があります。
そして相性、相剋の関係を正常な関係と考えます。
相性
相性とは木・火・土・金・水の五行が相互に物事が進むよう促し、成長するという意味です。
相剋
相剋とは上位にたち、制約・抑制するという意味です。
相乗
相乗とは相剋しすぎるという意味です。
相侮
相侮とは相剋の反対で反剋とも言います。
3. まとめ
中医学において、体の病理、診断、治療などの説明に取り入れられる五行学説。
五行が相性、相剋で正常な関係に保たれていると、自然界のバランスも保たれ、人体の機能も正常に活動するとされています。
逆に相乗と相侮になると病的な関係とされます。
もちろん薬膳の献立を考える上でも、重要になってきます!