薬膳のお話【中医薬膳学】薬膳学とは?
中医薬膳学(薬膳)とは中医学の理論に沿って、食材や中薬を使い、『健康の維持増進』、『病気の予防・治療・回復』を目指すものです。
ここでは中医薬膳学(薬膳)とはどのような食事のことを指すのかについてお話ししたいと思います。
\\ この記事はこんな人におすすめ //
- 薬膳初心者
- 薬膳を基本から学びたい人
- 東洋医学に興味がある人
目次
中医薬膳学(薬膳)とは
中医薬膳学(薬膳)とは中医学の理論に沿った『健康の維持増進』、『病気の予防・治療・回復』など目的を持った食事です。
なので中医学の基礎を一緒に勉強していくと、より薬膳の理解が深まるのでおすすめです。
とはいっても現在の薬膳はその幅が広くなり『薬食同源』というように、特別な食材を使わなくても、目的を持っていれば、よくある食材の組み合わせからなる日常的な食事も薬膳ということができます。
1. 予防を中心とした薬膳学
中医学、薬膳学の大切な目的は健康と長寿です。
治療よりも予防を中心に考え、普段の生活で正気を蓄え精神が安定していれば健康でいられるとされています。
2. 薬膳は陰陽調和・目的を達成のための食事
食生活でよく使われる穀類、野菜、果物、肉類などの味や性質をよく知ることで、薬膳学でのバランスの取れた食事になります。
また薬膳は普通の食事ではなく、目的を達成するための食事です。
偏食をなくし、目的に合った食材を組み合わせることで、体の陰陽のバランスも保つことができます。
3. 弁証から薬膳の献立を作る
薬膳の献立を考える時は弁証による作成が必要です。
弁証とはその人の年齢や体質、症状のこと。
例えば、思春期には陽気が強くなり、顔の赤みやニキビなど熱をもった状態になりやすいので、体を冷やす涼性のものを多く摂ります。反対に老年期には筋力が低下し、体が冷え、消化機能も悪くなるので、温性のものを多く摂り、柔らかい食事にします。
4. 五気六味を生かす
食材と中薬には寒性・涼性・温性・熱性・平性の五気の性質と酸味・苦味・甘味・辛味・鹹味・淡味の六味があります。
五気には体を温めたり、異常な熱を冷ましたり、気と血の巡りを促すなどのはたらきがあります。また六味は五臓の気のはたらきを助けます。
5. 調理方法を重視
薬膳学は健康・養生・病気の予防や治療などを目的としていますが、単に治療のために飲む薬とは違い、『膳』なので見た目や美味しさも大切にする必要があります。
目的に合わせた食材や中薬を選び、色合い、香り、形状、味も意識をして調理をします。
調理方法においては、『揚げる・焼く・漬ける』は食材の性質が変わりやすいので、なるべく『煮る・蒸す・炒める』の調理法を多く取り入れるようにします。