脂肪酸の種類とはたらき
身体の健康に欠かせない脂肪を構成する脂肪酸。有名なものではオレイン酸やα-リノレン酸などがありますが、ここでは他の種類についても少し詳しく見ていきたいと思います!
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- 栄養学に興味がある人
- 栄養学初心者
- 脂肪酸のはたらきを知りたい人
目次
脂肪酸とは
まず『脂肪酸』とは『脂質』の主要な構成要素になります。脂肪および脂肪酸は体内で重要な役割があり、人の健康に欠かせない存在です。
【脂肪酸の大まかなはたらき】
- 人体の細胞膜、ホルモン、核膜などを構成
- 皮下脂肪として臓器や外部刺激(寒さや物理刺激)からの保護(バリア機能)
- 活動のエネルギー源
- 脂溶性ビタミン(ビタミンA・D・E・K)の吸収促進
脂肪酸の種類とそれぞれの働き
脂肪酸は大きく分けて『飽和脂肪酸』『不飽和脂肪酸』『トランス脂肪酸』の3つの分類に分けることができます。
1. 飽和脂肪酸
- 基本的に常温で固体の油脂
- エネルギーとして使われやすく、体内でも合成できる
- 過剰摂取すると、心臓病や動脈硬化の原因になりやすい
- 肉、乳製品(牛乳、バター)、卵黄、ココナッツ、パーム油などに多く含まれる
短鎖脂肪酸
【酢酸】
腸内を適度な酸性に保ち善玉菌を活発にして、悪玉菌を退治する殺菌作用や、増殖を抑える静菌作用がある。
【プロピオン酸】【酪酸】
健康な腸粘膜を維持して、腸のバリア機能を高める働きがある。
中鎖脂肪酸
【ラウリン酸】
抗酸化作用、抗菌作用、抗炎症作用があり、免疫力を高める。アルツハイマー型認知症の予防につながる。
【カプリル酸】【カプリン酸】
抗菌作用があり、脂肪として蓄積されない。
※MCTオイルとして注目されている。
※MCTオイルについてはこちらに詳しく書いています↓
【MCTオイル】の良いところと注意点
この記事を読む長鎖脂肪酸
【パルミチン酸】
細胞の力を活性化させ、脂溶性ビタミン類の吸収を促進する。
【ミリスチン酸】
ホルモン分泌、細胞膜を保護をする。
【ステアリン酸】
LDLコレステロールの低下、HDLコレステロールの上昇を促す。
2. 不飽和脂肪酸
一価不飽和脂肪酸
- 基本的に常温で液体の油脂
- 飽和脂肪酸と比べると、エネルギーとしては使われにくい
- 体内でも合成できる
- オリーブオイル、菜種油、アボカド、タラ肝油などに多く含まれる
【オレイン酸】- オメガ9系
血中コレステロールのバランスを整え、血液をサラサラにする。便通を良くする。
【パルミトレイン酸】- オメガ7系
高血糖や糖尿病予防、血管を強化する。皮膚の再生を促進する。
多価不飽和脂肪酸
- 基本的に常温で液体
- 体内で合成できない、必須脂肪酸
- 青魚、植物油(トウモロコシ・大豆など)、クルミ、亜麻仁などに多く含まれる
【リノール酸】- オメガ6系
血中コレステロールを一時的に低下させるが、取りすぎるとアレルギーやガンのリスクを高める。
【γ-リノレン酸】- オメガ6系
血圧、血糖値を下げ、血栓を防ぐ。女性ホルモンのバランスを整える。アトピー性皮膚炎改善に効果的。
【アラキドン酸】- オメガ6系
頭の回転を良くし、認知症の改善する。免疫機能を調整する。摂りすぎるとアレルギーやガンのリスクを高める。
【プニカ酸】- オメガ5系
抗酸化作用、抗炎症作用があり、免疫力をあげる。老化を防止して記憶力あげる、アンチエイジングに効果的。
【α-リノレン酸】- オメガ3系
抗アレルギー作用、中性脂肪抑制、血栓予防、血圧を下げる。ガン、高血圧予防。
【DHA(ドコサヘキサエン酸)】- オメガ3系
抗炎症作用、血液をサラサラにする。脳神経を活性化、記憶力をあげる。
【EPA(エイコサペンタエン酸)】- オメガ3系
血液をサラサラにし血糖値を改善、血栓予防、動脈硬化予防する。抗炎症作用。
3. トランス脂肪酸
トランス脂肪酸には、天然由来と人工のものがあります。
- 人工物は植物油を固形に加工する際の水素添加により生成
- 人工物は植物油の抽出、加工過程で高温処理することで生成
- 人工物は健康に対するデメリットはあるが、メリットはない
- 人工物ではマーガリン、ショートニング、加工油脂などに含まれる
- 天然由来では牛や羊に含まれる
トランス脂肪酸についてはこちらの記事で詳しく書いてます↓
【トランス脂肪酸】とは?トランス脂肪酸が危険な理由
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