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食用の油脂【初級編】体に良い油脂と悪い油脂

油脂といってもその種類は様々で、種類によって栄養素、体への作用、適切な保存の仕方や調理法は変わります。ここではまず油脂の『油』と『脂』の違いから主な脂肪酸について順に紹介していきます。

\\ この記事はこんな人におすすめ //

  • 油脂の勉強中の人
  • 体に良い油脂を知りたい人
  • 体に悪い油脂を知りたい人

目次

  1. 1.『油脂』とは
  2. 2.脂肪酸とは
    1. 飽和脂肪酸
    2. 不飽和脂肪酸
  3. 3.絶対に避けたい油
  4. 4.まとめ

1.『油脂』とは

『油脂』とはその文字通り、『あぶら』を意味します。

そして『油』は主に植物性のあぶら、一般的に常温で液体のあぶらを意味し、『脂』は動物性のあぶら、一般的に常温で固体のあぶらを意味します。

2. 脂肪酸とは

油脂は飽和脂肪酸不飽和脂肪酸に分けられます。

飽和脂肪酸

飽和脂肪酸とは常温で固体のもので、上記で説明した『脂』に多く含まれます。

さらに飽和脂肪酸は、下記の3つに分けられます。

  • 短鎖脂肪酸(バターなどの乳製品や腸内細菌が食物繊維などを餌に体内で作るもの)
  • 中鎖脂肪酸(ココナッツオイルやパームオイル)
  • 長鎖脂肪酸(牛や豚の脂)

基本的に飽和脂肪酸は安定して酸化しにくいのが特徴です。

飽和脂肪酸も他の油脂と同じように体内で消化吸収され、エネルギーとなるので食品として食べるのは必要なことです。ただ、摂りすぎは肥満の原因になるだけでなく、血中のLDLコレステロールを増加させるので、高血圧や動脈硬化の原因になります。

また、短鎖脂肪酸は体内で消化しやすく、長鎖脂肪酸は消化しにくく、中鎖脂肪酸はその中間といったイメージです。

長鎖脂肪酸が多い食材としては、牛や豚の脂と言いましたが、牛や豚の体温は39度前後と、人と比べると高めです。そのためその温度より低い人の体内に取り込んだとき、その脂肪は固まり、なかなか消化吸収できず、胃腸にも負担をかけるので体調不良のもとになります。

不飽和脂肪酸

不飽和脂肪酸は常温で液体で、上記で説明した『油』に多く含まれます。

不飽和脂肪酸は以下の2つに分けられます。

  • 一価不飽和脂肪酸
  • 多価不飽和脂肪酸

【一価不飽和脂肪酸】
一価不飽和脂肪酸で有名なものにはオメガ9系(n-9系)のオレイン酸があります。
不飽和脂肪酸は一般的に酸化しやすい油と言いましたが、オレイン酸はその中でも酸化しにくいのが特徴で、長期の保存や加熱調理に向いています。

体内でもタンパク質や糖質から生成されますが、油脂ではオリーブ油、菜種油、米油、アボカド油などに豊富に含まれています。
また血中のコレステロールバランスを調整したり、胃腸の動きをよくする働きがあり積極的に摂ってほしい油脂です。

【多価不飽和脂肪酸】
多価不飽和脂肪酸にはオメガ6系(n-6系)のリノール酸や、オメガ3系(n-3系)のα-リノレン酸、DHAとEPAなどがあります。
これらは体内で生成することができない油なので、必須脂肪酸とも呼ばれ、食事から摂取する必要があります。
その必須脂肪酸オメガ6とオメガ3の理想の摂取比率はオメガ6:オメガ3=2 : 1ほどです。

オメガ6の油は紅花油、ひまわり油、綿実油、コーン油、大豆油など一般的にサラダ油と呼ばれるような油に豊富に含まれますが、そのほとんどがリノール酸。
リノール酸は『適量の摂取は血中コレステロール値を下げ、心臓病の予防になる』と言われていますが逆に摂取しすぎると動脈硬化やアトピー性皮膚炎の原因になります。

多価不飽和脂肪酸は食事から摂取する必要があるといましたが、植物油脂だけでなく、肉、卵、豆類にも含まれており、現代では外食やありとあらゆる加工食品にもリノール酸の油が多く使われているため、通常の食生活で不足することはなく、家庭ではむしろ控えてほしい油になります。

次にオメガ3の油、α-リノレン酸はアマニ油、えごま油、シソ油に豊富に含まれ、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)は青魚の油に豊富です。

α-リノレン酸はアレルギーの抑制や血圧を下げる働き、DHAは記憶力の向上、EPAは動脈硬化、心筋梗塞、虚血系心疾患の予防や血糖値を改善する働きがあります。

オメガ3はオメガ6と違い、現代の食生活では不足しがちな油なので積極的に摂取してもらいたい油です。
α-リノレン酸の摂取量は1日小さじ1杯〜2程度でOKです!
ただ、アマニ油、えごま油、シソ油はとても酸化しやすく、熱に弱いので加熱調理には向かず、サラダやできあがった料理にかけて食べ、冷蔵庫での保管をしないといけません。
せっかく良い油をゲットしたのに酸化させてしまってはかえって逆効果になるので注意しましょう!

簡単な脂肪酸の表を作ったので、参考にしてみてください!

脂肪酸表

3. 絶対に避けたい油

最後に絶対に避けないといけない油のお話しです。それはトランス脂肪酸

トランス脂肪酸は動脈硬化を促し心疾患の危険性を高め、免疫機能を低下させます。また胃腸に大きく負担をかけるのでアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患の原因にも。

トランス脂肪酸には、天然に食品中に含まれているものと、人工的に作られるものがあります。
天然のトランス脂肪酸は牛や羊、乳製品に含まれています。

人工的に作られたトランス脂肪酸をというのは、分子の構造をいじって本来液体であるはずの油を固形にしたマーガリン、ファットスプレッド、ショートニングというものと、高温で加工された食用調合油(サラダ油やキャノーラ油)に含まれ、その含有量は天然よりも多いものがほとんどです。
しかも人工的に作られたものは分子構造が不自然なので健康被害のリスクがものすごく高いです。

実際、これらはすでにアメリカ、カナダ、台湾、タイなどでは使用禁止。EU、シンガポール、韓国、中国でも使用を制限されているような危険な油です。

現在日本ではなんの規制もされておらず、マーガリンは普通に販売され、不思議なくらいほとんどのお菓子やパン、ケーキなど加工食品に使用されているので(大人の事情により。笑)、避けるのは難しいかもしれません。

もちろん理想は全て手作りで余分なものを加えないことですが、これを機に、食材を購入する際は原材料をチェックしてみてください。

まとめ

たくさんお話ししましたが、結果どの油が良いかといいますと、加熱用にはオレイン酸を豊富に含むオリーブ油や菜種油(キャノーラ油以外)やアボカドオイル

そして加熱せずドレッシングにしたり、料理にかける用にはα-リノレン酸を豊富に含むアマニ油やえごま油
まずはこの2種類を常備していただければと思います。

※ただし、ここで紹介した油は質の良いもの、つまり原料が正しいもの、製法が正しいもの、容器・保存方法が正しいもの、というのが前提となります。
『原料が正しいもの、製法が正しいもの、容器・保存方法が正しいもの』についてはこちらの記事をご覧ください!

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Chika profile

Chika Sato

オーガニックな旅暮らし

  • Bio Life Coordinator
    • 管理栄養士
    • 薬膳コーディネーター
    • フードコーディネーター
    • 全米ヨガアライアンス 勉強中
    • アロマセラピスト 勉強中